保育士の給料は安い？

平成27年の賃金構造基本統計調査によれば、保育士の大まかな年収は300〜340万円。月収は21万円ほど、賞与が出た場合は60万円くらいと推測されています。

出典：一生できる保育の仕事さがし｜安いとは思っていたけれど…保育士の給料・賞与問題を斬る！

実際に保育士がもらっている給料の統計を見ると、確かにそれほど高いとは言えません。さらに、保育士として働いている限りは、昇給も期待できないようです。しかし、月収や賞与額を見る限りでは、「安すぎる」と言えるほどではないように感じられます。

賃金構造基本統計調査による保育士の月収よりも、低収入となる仕事も多いでしょう。例えば、飲食店や小売業では、月収が20万円以下となる場合も少なくありません。それではなぜ、保育士の給料は安いと言われているのでしょうか？

保育士の給料が安いと言われる理由とは

保育士の給料はなぜ安いと言われるのか、その3つの理由を解説します。

当時の保育の質は現在より低く、また保育士の役割は現在よりも遥かに小さかったため、重要性を低いと考えられ、これを受けて保育士の給与は低く設定されたのです。これが保育士の低給与の始まりとなります。
出典：保育のヒント｜保育士の給料が安い理由｜調査してわかった3つキーワード

児童福祉法が制定されたのは1948年のこと。その当時の保育士の役割は、「保育」ではなく「子供の預かり」でした。重要性が低いと考えられたことから、給料が安く抑えられたのです。

委託費は、個々の保育所の運営に対して支払われるものです。その保育所の子どもと保育士など職員のための費用が、そうでないところに使われていくのは問題です

出典：講談社｜保育士の給料はなぜ安いのか…「ブラック保育園」が生まれる根本原因

保育士や子供のために使われるべき委託費が、他の部分に流用されているという保育園自体の問題もあります。

そのため、就業時間に終わらず残業が続いたり、休みが取りにくい現状もあるため、仕事量と給料が見合わず、給料が安いと感じる保育士の方は多いようです。

出典：保育士バンク！｜【調査】保育士のお給料事情。安い理由や平均給与、今後の賃金改善する？

保育士の仕事は子供が帰宅した後も続きます。保育日誌や保育計画書の作成などで残業することも多く、相対的に給料が安いと感じられがちなことも理由のひとつです。

保育士の給料が安いと言われる理由を見ると、単純に労働時間が長いことと、社会的な歴史や仕組みが影響していることがわかります。保育士の給料や待遇が改善されるためには、保育園独自の動きではなく、社会的な変革が必要となるでしょう。